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事業承継パートナーズコラム

2018.11.29 事業引継ぎ(譲渡)

事業承継・M&Aの動向とポイント-建設業

■事業承継・M&A動向

建設業はバブル崩壊後、2000年代前半まで長らく受難・淘汰の時代を迎えました。市場規模は1992年度(ピーク時)の84兆円から2010年度の42兆円へと半減し、就業者数も同619万人から同約500万人へと約2割も減少しています。また、事業者数も1999年度(ピーク時)の60万社から2007年度には約50万社に大きく減少しています。

その後は復興需要やオリンピック需要などもあり、やや持ち直しの傾向が見られます。利益面などの厳しさから回復の実感がないとの実情をお伺いすることも多くありますが、市場規模が52兆円へと大きく回復するなか、従業者数は500万人前後から回復していません。

【建設業の概況(2016年度実績)】
・市場規模: 52兆円
・事業者数: 47万社
・従業者数: 500万人
出所:国土交通省「建設投資見通し」・「建設業許可業者数推移」、総務省「労働力調査」

高齢化という従業者構成の変化も進行するなかで、最近では「人手不足」が深刻な経営課題となってきました。「社会保険加入」・「働き方改革」といった雇用環境の適正化の流れのなか、大幅な賃金改善や長時間労働に解決策を求めるのも難しいところです。

こうした流れを受けて近年は、「人手不足」解消のためのM&Aが多く見られるようになりました。後継者問題にお困りの建設業のオーナー経営者の皆様にとっては追い風が吹いています。

■事業承継・M&Aにおけるポイント

このように近年、活況を呈し始めている建設業の事業承継・M&Aですが、いくつか注意点もあります。一般的に言われる許認可の引継ぎや粉飾決算の確認は言うまでもないことですが、下記のような視点での目配りも大変重要になります。

1.経営人材(所謂、経営業務管理責任者)不足への対応
2.事業承継後の受注方針の綿密なすり合わせ

建設業の人材不足は現場人材だけではありません。こと事業承継・M&Aにおいては、むしろ経営人材(所謂、経営業務管理責任者)の不足の方が障害となるケースが見られます。事業承継を希望するオーナー企業様において、役員を親族で固められているのはよく見られるケースです。このような場合には親族以外には経営業務管理責任者の要件を満たす方がおらず、承継後には譲渡先から派遣してもらうこととなります。しかしながら、譲渡先に派遣できる経営業務管理責任者がいないケースがあるほか、地域内の関係性を考えるとしばらくの間は合併(や経営業務管理責任者となる社長派遣)も控えたいというケースがあります。

こうした問題には経験のあるアドバイザー・コンサルタントとの間で、事業承継・M&Aの初期段階から検討を重ねておくことが肝要です。

また、いくら「人手不足」と言っても即座に受注を切り替えるのは非現実的ですし、地域内の事情もあります。可能な限り、双方のシナジー効果を発揮できるWIN-WINの受注方針をしっかりとすり合わせしておくことも大変重要です。受注内容は変遷していくものですし、3月決算の場合には公共工事の期ズレの影響もよく見られます。最低でも過去3-5年間の工事経歴書は揃えて提示し、譲渡先候補に対して受注案件の変遷の経緯や今後の見通しを示すことができるようにしておくことは、円滑な引継ぎの第一歩と言えるでしょう。