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事業承継・M&Aコラム

2020.8.31 事業承継・M&Aの知識

中小企業の「M&A仲介手数料」こんなに高い? 「着手金無料/成功報酬型」に流されない仲介会社選びと手数料相場

「M&Aの仲介手数料はこんなに高いのか?」と驚かれるのも無理はありません。M&A仲介大手数社の手数料実績を試算したところ、驚きの数字となりました。「着手金無料/成功報酬型」の言葉に安心して契約する前に、中小企業のための仲介会社選びのポイントと手数料相場を押さえておきましょう。


 

(1)M&A仲介手数料は結局いくらかかる?


M&A仲介手数料は結局いくらかかる?

テレビCM、新聞広告、インターネット広告など、中小企業のM&Aを支援する仲介会社の情報が巷にあふれています。「着手金無料/成功報酬型」だから安心・納得という話もよく聞きます。でも実際のところ、「総額」でいくらになるのでしょうか?

公表されているIR情報からの試算では、M&A仲介大手数社の手数料実績は「1件あたり平均約7,000万円(うち約3,000万円が経常利益分)」です。経常利益率も40%前後を誇ります。「着手金無料/成功報酬型」に飛びついた結果、終わってみれば中小企業オーナーには想像以上の「総額」となることも多そうです。

売り手/買い手双方からの手数料の合計金額であること、一部の大型案件が単価を上昇させていること、などの側面もあるようですが公表データに基づく実態でもあります。実際、某上場大手M&A仲介会社の「最低報酬」は4,000万円(売り手/買い手各2,000万円)に設定されています。

「着手金無料/成功報酬型」の言葉に安心して契約する前に、仲介会社選びのポイントと手数料相場をよく理解しておくことが大変重要です。

 

 

(2)大手企業・上場企業だから安心?


M&A仲介手数料 大手企業・上場企業だから安心?

大手企業や上場企業は数多くのM&A案件を受託・成約させています。日本M&Aセンターの成約件数は451件(2020年3月期)、M&Aキャピタルパートナーズは同144件(2019年9月期)、ストライクは同104件(2019年8月期)です。知名度も成約実績も備えていることに安心感を求める方も多いでしょう。

それでは実際に案件を担当する「M&Aコンサルタントの実像」はどのようなものなのでしょうか。公表されているIR情報からの試算では、M&A仲介大手数社の「社員の平均年齢は32.4歳(平均勤続年数2.9年)」です。M&Aコンサルタント1人あたりの年間成約件数は1.1件です。なお、平均年齢や勤続年数はM&Aコンサルタント以外の社員も含んだ数字です。

「1件あたり平均約7,000万円の仲介手数料」の案件を想像していたよりも若くて勤続年数も少ない社員が担当しているなと驚かれるかもしれません。「実績豊富な大手仲介会社=実績豊富なM&Aコンサルタント」と一概に言えるものでもなさそうです。

事業承継・M&Aの検討や協議は非常に繊細な面や奥の深い面があります。企業規模のみで判断するのではなく、「M&Aコンサルタントの能力・経験や信頼性」もしっかりと確認しておくことが後々の大きな安心につながるように感じています。

 

 

(3)M&A仲介手数料の料金体系と相場感は?


M&A仲介手数料の料金体系と相場感は?

M&A仲介大手の情報を中心にお話してきましたが、中堅や中小のM&A支援会社も数多く存在します。近年は地域金融機関も積極的に中小企業のM&Aを支援しています。中小企業のM&A仲介手数料の相場はどのようなものなのでしょうか。

M&A仲介手数料は着手金/月額報酬/中間報酬/成功報酬などに分かれます。最近では着手金や月額報酬を無料とする会社が多いようです。中間報酬も成功報酬の10%が相場です。必然的に仲介手数料の「総額」を左右するのは「成功報酬」と言えそうです。

成功報酬に関してはレーマン方式の説明に終始する例が散見されます。このレーマン方式は「M&Aにおけるボリュームディスカウント」と考えてください。中小企業のM&A手数料は「譲渡代金の5%」が一般的な相場ですが、一定以上の譲渡代金になると5%以下に料率を割り引いてくれるのです。非常にお得な制度です。

しかし、成功報酬について注意すべきなのは「最低報酬」と「移動総資産方式」です。前述のとおり、仲介手数料は譲渡代金の5%以下が相場です。この限りにおいては負担感もそれほど大きくないでしょう。しかし、この「譲渡代金の5%以下とならない例外」を招く可能性があるのが「最低報酬」と「移動総資産方式」なのです。

「最低報酬」の相場は、上場大手クラスのM&A仲介会社は2,000万円、中堅クラス(及び地銀)は500~1,000万円、中小クラスは300~500万円と言われます。(注:仲介の場合には売り手/買い手それぞれに適用されます。)例えば、譲渡代金4,000万円に対して最低報酬2,000万円となれば負担感はいかがでしょうか。中堅クラスや中小クラスの最低報酬であれば良かったと思うかもしれません。

また「移動総資産方式」や「企業価値ベースの手数料体系」と聞いたら慎重に検討することをお薦めします。譲渡価格ではなく「譲渡価格+(純)有利子負債」に手数料率を掛け合わせることで成功報酬を算定することが特徴です。銀行借入金などの有利子負債が多い企業では、譲渡価格の多寡にかかわらず、M&A仲介手数料が跳ね上がることがあります。銀行の債権放棄を伴う事業再生型のM&Aなどの特殊なケースではよく使われますが、一般的な中小企業のM&Aでは注意が必要です。

 

 

(4)中小企業におすすめのM&A仲介会社は?


中小企業におすすめのM&A仲介会社は?

中小企業に適したM&A仲介会社はどのように選べば良いのでしょうか。経験豊富で信頼できるM&Aコンサルタントは一体どこの仲介会社にいるのでしょうか。仲介手数料も適切な範囲に抑えたいところです。

「M&Aコンサルタントの能力・経験や信頼性」は非常に大切です。M&A仲介会社の企業規模だけでは判断できませんし、実際に働いてみないと良し悪しはなかなか分かりません。そこでお薦めするのは「公的機関による紹介(リファーラル)」です。

公的機関である「事業引継ぎ支援センター」が全国の都道府県に設置されています。中小企業に特化して事業承継・M&Aを支援しており、各地域のM&A仲介会社とも密に連携しています。M&A仲介会社の料金体系を把握していますし、在籍するM&Aコンサルタントの実際の働きぶりもよく見られています。M&A仲介会社選びも無料で相談できますので、ぜひ足をお運び頂いてお話されることをお薦めします。

 

 

(5)さいごに


さいごに 日本橋事業承継パートナーズ

さて、「中小企業の「M&A仲介手数料」こんなに高い?「着手金無料/成功報酬型」に流されない仲介会社選びと手数料相場」と題してお話させて頂きましたが、ご感想はいかがでしたでしょうか?着手金無料/成功報酬型でも結局はこんな金額になるのかと驚かれた方も多いかと思います。

信頼できてお値打ちなM&Aコンサルタント探しは大変重要です。公的機関である「事業引継ぎ支援センター」への無料相談など、しっかりと情報を集めてM&A仲介会社を選定されることをお薦めします。ご質問やご相談などございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

 

 
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