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事業承継・M&Aコラム

2020.9.10 サービス

「日常清掃・定期清掃」の業界動向と中小企業のM&A(会社売却・譲渡)|成功ポイント・留意点やコロナ禍の現状も

「日常清掃・定期清掃」業界はコロナ禍でも安定した業況が続いています。M&A(会社売却・譲渡)でも注目される業種ですが死角はないのでしょうか。業界の潮流から将来性までを整理するとともに、M&A(会社売却・譲渡)の成功ポイントや留意点も分かりやすく解説します。

(1)日常清掃・定期清掃業界とは


日常清掃・定期清掃業界とは

日常清掃・定期清掃業は「ビルの床面・壁面・洗面所等の清掃を請け負う」業界です。厚生労働省が策定したビルメンテナンス業の職業能力評価基準によると、清掃業務(職業)として4つが定義されています。

具体的には、床面・トイレ・洗面所・玄関ホール等の清掃やゴミ処理を行う「日常清掃」、床面/壁面・天井面/照明器具・ブラインド・エスカレーター/エレベーター・空調機・外装(ガラス/外壁)・外構(フェンス・植え込み)等の定期的な清掃を行う「定期清掃」のほか、新築・退去時の清掃を行う「特別清掃」、ホテル客室・病院・介護施設などの清掃を行う「建物用途別清掃」が挙げられています。

日常清掃や定期清掃は「サービス品質の差異」が大きい業界です。国家資格者(清掃作業監督者、ビルクリーニング技能士、建築物環境衛生管理技術者)の勤務状況や損害賠償責任保険の加入状況の違いは分かりやすいところです。また特別清掃や建物用途別清掃であれば、特定領域の実績からある程度、サービス品質が判断できるところです。しかし日常清掃や定期清掃のサービス品質は実際に「現場」を見なければ分かりません。

 

 

(2)日常清掃・定期清掃業界で「近い将来」に起きること


日常清掃・定期清掃業界で業界で「近い将来」に起きること

日常清掃・定期清掃業界はコロナ禍においても安定した業況が続いています。ビル清掃は好不況にかかわらず恒常的に発生すること、感染症予防のための除菌・消毒などの追加的なニーズも発生していることが主な理由です。

ただし、近い将来に目を向けるといくつかの留意点もあります。「同一労働同一賃金」・「社会保険の適用拡大」・「将来需要の減少」の3つです。詳しく知りたい方はコラム【コロナ禍で社会を支える「ビルメンテナンス」】をごご覧ください。

日常清掃・定期清掃業界において特に考えておきたいのは「将来需要の減少」です。日本も少子高齢化/人口減少社会に移行しており、地方を中心に空ビル/空フロアが増加しています。一部では行政が空フロアを活用して支える例も見られますが限界があります。

日常清掃・定期清掃を支えるスタッフはシニア層(高齢者)が活躍しています。少子高齢化/人口減少社会においても一定の労働力の供給が期待できます。その反面で需要が減少するため「地方を中心に競争がより過酷になる恐れ」があるのです。

 

 

(3)事業承継・M&Aでできること


事業承継・M&Aにできること

日常清掃・定期清掃業界において少子高齢化/人口減少社会による「将来需要の減少」は大きな課題となります。特に地方で運営する会社は「①寡占化」・「②域外進出」・「③付加価値化」などの対応策を考える必要があります。いずれもM&Aが有効な領域でもあります。こちらも詳しく知りたい方はコラム【コロナ禍で社会を支える「ビルメンテナンス」】をごご覧ください。

ただし地方において「①寡占化」を進めるには制約も大きいのが実情です。日常清掃・定期清掃業界は「入札での相見積もり(単年度契約)」が多く活用されています。同一地域内の競合会社同士では「入札価格」は決して相手に知られたくない情報です。もちろん秘密保持契約書を締結するのですが、同一地域内の競合会社へのM&A/会社売却交渉は避けたいという企業が多く存在します。

そのため「②域外進出」と「③付加価値化」をご検討頂きたいところです。首都圏、地方中核都市(札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡など)、海外などの域外に安定需要を求めるのはM&Aによる生き残り策の王道と言えます。また、設備点検や管理などの周辺領域を取り込みながら付加価値に基づいて顧客の信頼を得ることもM&Aによる収益力向上のストーリーとして考えられます。

 

 

(4)事業承継・M&Aの成功ポイントと留意点


M&Aの成功ポイントと留意点

「②域外進出」と「③付加価値化」のいずれにおいても重要なのが「サービス品質」です。M&Aによって首都圏や地方中核都市における事業基盤を確保しても「サービス品質」が伴わなければやがて厳しい価格競争や淘汰に直面することになります。

前述のとおり、「サービス品質の差異」が激しい業界でもあります。また日常清掃や定期清掃のサービス品質は実際に「現場」を見なければ分かりません。M&Aの検討には「現場」の視察が欠かせません。たった1回の視察でも得られる情報には大きな価値があります。

また最近では「従業員の感染予防対策」にも留意が必要となります。特に日常清掃ではシニア従業員が多く活躍されています。高齢者は重症化しやすいとも言われます。顧客からの信頼を維持するとともに、従業員に安心して業務に従事していただけるよう感染予防対策の実績や状況も確認しておくことが望ましいでしょう。

 

 

(5)さいごに


さいごに

さて、「「日常清掃・定期清掃」の業界動向と中小企業のM&A(会社売却・譲渡)|成功ポイント・留意点やコロナ禍の現状も」と題してお話させて頂きましたが、ご感想はいかがでしたでしょうか?日常清掃・定期清掃業界はコロナ禍においても安定した業況が続いています。しかし地方を中心に少子高齢化/人口減少社会への備えとして、今後は域外進出・付加価値化に向けたM&Aが活発化するものと見込まれます。ご質問やご相談などございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

 

 
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